世界はまるとサンカクと四角でできている。絵を描いていると世界を構成する要素が単純化して見えてくる。抽象的に感じられるようにもなってくる。
◯く生まれて、転がって
△んがって、積み上げて
最後はカチコチに固まって▢くなる。
一生の中で私たちは、◯ や △ や ▢ を組み合わせて ♡(愛)や ☆(希望)を見た気になるのではないだろうか。
金属でも木材でも作品を作れなくなって、石を拾って積み上げた。石を拾うことは私の原体験に基づく。母の故郷・伊予西条には加茂川という川が流れていて、幼い頃に母と一緒に丸い石を探して石拾いをしたことを鮮明に覚えている。お祭りの日に加茂川の河原で迷子になったが、自力で祖父母の家まで帰れたことを褒めてもらえたのが嬉しかった。
五十歳になって、私はまた迷子になっているのだが、果たして自力で帰れるだろうか?帰れたところで母は褒めてくれるだろうか?
絞り出した抽象は、私の身の回りに存在する具象と対応している。